昔に比べると世界の貧困率は少しずつ減っていますが、それでも国ごとに豊かさは異なり、貧困に悩む国は未だに多いです。現時点で最も貧しいとされる国はどこなのでしょうか。最新の貧困率や世界で最も貧しい国の状況についてご紹介していきます。
最新の貧困率・貧困層数
世界銀行のデータ収集・分析によると、1990年の世界貧困率は36%、貧困層数は18億9500万人です。そして、最新のデータは2015年の時点で貧困率10%、貧困層数7億3600万人となっています。
《参考》世界の貧困に関するデータ
過去に比べてだいぶ貧困率は下がっていますが、世界銀行が掲げる世界全体3%を達成するには時間がかかるでしょう。なお、最新データが2015年のものである理由は、164ヶ国の政府が約3~5年に実施している世帯調査がベースとなっているからです。データ収集から分析は膨大な時間を要するため、ギャップに考慮して2年ごとに統計を行っており、次回は2020年に2017年の統計が発表されます。
地域別の貧困率
2015年の貧困データによれば、地域別の貧困率はサブサハラ・アフリカ地域に集中しています。85%以上がサブサハラ・アフリカ地域、または南アジアと貧困層の半数以上を占めており、残り15%(約1億600万人)は他の地域となります。
他の地域の平均値は1.5~12.4%ですが、サブサハラ・アフリカ地域は約40%となっており、地域別だと貧困率に偏りがあることが分かるでしょう。2013年から2015年までに年間貧困率は0.6ポイント減となっており、2018年は0.5ポイント以下の下がると想定して、貧困率は8.6%と予測されています。
極度の貧困を撲滅させるためには、2030年までに所得下位の人々の所得を8%以上に拡大させなければなりません。現在のペースでは極度な貧困率は2030年までに5%以上になると予測され、目標を達成できない可能性があります。
世界で最も貧しい3つの国
一人あたりのGDPをベースに、現時点で貧困に陥っている上位3カ国をご紹介しましょう。
・中央アフリカ共和国(一人あたりのGDP:656ドル)
アフリカ大陸の中心部にある国家で、1960年にフランスから独立して以降、クーデターが多発しています。
非常に政情は不安定で、経済は低迷する一方で回復に至っていません。
・コンゴ民主共和国(一人あたりのGDP:784ドル)
アフリカ大陸の中心部にある共和制国家で、コンゴ共和国とは異なる国家です。
内戦でインフラが壊され、一向に復興が進まず第2位の最貧困国となっています。
・ブルンジ共和国(一人あたりのGDP:818ドル)
東アフリカの内陸にある国家で、1926年にベルギーから独立して以降、民族の激しい対立が続いています。
さらに経済制裁も受けているので経済活動が停滞している状態です。
出典:https://world-note.com/poor-countries-ranking/
発展途上国は内戦や政治の影響で貧困に陥っている国が多く、中でもアフリカ大陸は深刻な状況であることが分かります。少しでも人のためになりたいと考えている人は貧困の実情を知り、支援団体や機構が実施する募金やボランティアなどに参加してみてはどうでしょうか。