ユニセフでは、世界の様々な国において紛争・自然災害・感染症などで苦しむ子どもたちに対する人道支援活動を行っています。1946年に創設されて以来、ユニセフは子どもの命と権利を守るために活動を続けてきており、その活動は保健・栄養・衛生・保護・教育・HIVなど分野は多岐に渡ります。ここでは、2019年にユニセフが発表した人道支援計画の内容をご紹介していきましょう。

世界59ヶ国・4100万人の子どもの支援

2019年1月末に発表された2019年の人道支援計画では、世界59ヶ国・7300万人の人々(うち子ども4100万人)の支援を行うことが分かりました。世界では、未だ多くの国で内戦や国際紛争が起きており、数多くの子どもたちの安全や幸福が失われています。

国際社会では、紛争地に住む子どもたちを守れずに、見捨ててしまっている実態があると発表しました。その悲惨な状況を踏まえ、ユニセフはさらなる支援の輪が必要不可欠だとしています。特に、紛争や自然災害の影響がある地域で暮らす子どもたちが受ける暴力・苦痛・トラウマなどの問題は深刻で、心理社会的ケアが急務です。

このような環境下に暮らす子どもたちは、適切な支援が受けられないまま成長してしまうことによって、認知力・社会性・感情の発達に大きな影響を及ぼすと言われています。子どもたちが辛く苦しい経験をしたことにしっかりと向き合って立ち直ることができれば、少しでもその影響を軽減させることができるでしょう。

現在、こうした紛争や自然災害の影響を受けている子どもたちは、イエメン・シリア・コンゴ民主共和国などの国々の推定3400万人以上に及ぶとされています。世界の子どもたち安全と権利を守るために、ユニセフは虐待・ネグレクト・搾取・トラウマ・暴力などの予防や対応に向けた活動を行う予定となっています。

また、全ての人道支援プログラムに、子どもたちを保護することを最優先にするよう支援活動を計画している点が特徴です。

人道支援計画に記載されている活動内容

2018年1月~10月にかけて、ユニセフは世界の子どもたちに安全な飲料水の提供や教育の提供、はしかの予防接種、心理社会的なケアなどの活動を行っています。2019年の人道支援計画として発表によれば、子どもたちの安全と幸福を守るために、ユニセフはパートナー団体の協力のもと、様々な活動を計画しています。

  • 心理社会的ケア(子ども・保護者含む400万人)
  • 安全な飲料水の提供(約4300万人)
  • 公式・非公式の基礎教育の提供(1010万人)
  • 急性栄養失調の子どもの治療(420万人)
  • はしかの予防接種提供(1030万人)

これらに必要とされる人道支援要請額については、2018年の資金から1億ドル上回る総額39億ドルが必要だと発表しました。しかし、紛争当事者の国際人道法を軽視され、人道支援活動を拒否していたり、資金不足などの様々な原因が重なり、保護サービスを必要としている子どもたちに適切な支援が提供できなかったりする実態があります。

中でも、コンゴ民主共和国・シリア・エジプト・ヨルダン・レバノン・イラク・トルコ・南スーダンなどが大きな資金が必要とされています。しかし、2018年には、コンゴ民主共和国やシリアなどでは資金不足となっていました。ユニセフは国際社会において、子どもの保護・支援活動を約束し、どの国でも適切な人道支援ができるよう取り組むべきだと考えています。

まとめ

ここでは、ユニセフの2019年の人道支援計画についてご紹介してきました。世界には、紛争や自然災害などの影響を受け、厳しい環境で暮らす子どもたちがたくさんいます。そんな子どもたちに手を差し伸べているユニセフは、2019年も子どもの安全と幸福を守る活動をするために取り組んでいます。

日本ユニセフ協会は何をしている団体?