募金を集めることにより、恵まれない人たちや支援を必要としている人達に対して適切な手助けができます。海外では、日本では考えられないような理由で満足な生活が出来ていない人達が多く居るので、そのような人々の支援も必要ですし、もちろん日本国内においても支援を必要とするところはたくさんあります。

しかしながら、義援金詐欺を行っている組織もあるので注意が必要です。その対象方についても併せてご紹介します。

震災に関する義援金詐欺と対処法

地震や大雨、津波などの自然災害が起こったときに被災者のために募金を考える人は多いでしょう。ですが、「義援金詐欺」と呼ばれる悪質な行為も存在します。義援金は自然災害などの被災者に渡すためのお金であり、日本や海外で大きな災害があると募金団体が立ちあがり、義援金を集め出します。

本来は人々を救うために集めるお金ですが、募金団体を名乗って悪質な方法でお金をだまし取ったり、勧誘を行ったりする被害も多発しているのです。被害の多さから県や国民生活センター、消費者センター等が被災地以外にも注意喚起しています。具体的にどのような義援金詐欺や勧誘があったのかご紹介しましょう。

東日本大震災や熊本地震といった震災時に義援金詐欺が全国的に多発しました。どのようなケースがあるのか、事例をご紹介しましょう。

  • 募金団体から電話が来て、アンケートに回答すると赤十字を通じて120円寄付されるという音声ガイダンスが流れてきた。
  • 寄付団体を騙る女性から電話が来て、集金にくるため家族構成、名前、年齢などを教えてほしいと言われた。
  • 知らない宗教団体から義援金を納めるようにと勧誘を受けた。
  • 町会の名前を出しながら義援金を集めている人が訪問に来て、しつこく要求してきた。

義援金詐欺に関してはこのような相談が消費者センターなどで寄せられていたようです。通常、公的機関や団体が一般家庭へ個別に義援金の振り込みを求めたり、個人情報を聞きだしたりすることはありません。なので、上記のような電話や訪問がある場合は警戒しましょう。

実際にある団体名や人名を名乗られた時は、団体が公表している口座番号であるのか、本当の団体が行っている募金なのか問い合わせて確認してください。不審に感じたらすぐに消費者センターや警察に相談しましょう。

震災に関する勧誘と対処方法

震災に便乗し建物の修理などに関する勧誘もみられました。

  • 屋根修理業者が1日に3回から4回も訪れ、判を押すように強く迫り契約を交わし、工事日が決まっていないにも関わらず、30万円の内金をすぐに振り込むように言われた。
  • 訪問してきた業者に屋根の補修を勧められ、30万円を全額前払いで請求され、さらに補修は薄いシートをテープで貼っただけの手抜き工事だった。

工事に関する勧誘は「早くしないと危険」と不安を煽ったり、詳しい説明もなく高額の工事費を請求したりする行為が多いです。勧誘を受けてもすぐに契約せず、他の業者とも相見積もりをとった上で検討してください。訪問販売で契約してしまった場合、契約書面を受け取り8日以内なら、工事完了後でもクーリングオフが適用されます。

このように、募金団体と騙り義援金詐欺を行う人や、強引に工事を行う業者などが災害時に増えています。怪しいなと思ったら振り込みや契約は避けて、実名のある団体や企業なら確認し、疑いが濃くなれば国民生活センター、消費者センター、警察などに相談することが望ましいです。

駅前の募金声かけは本物か?

最近ネットでも話題になる事がありましたが、大きな駅の周辺で道行く人たちに募金を呼びかける団体は見たことありますでしょうか。外国出身と思われる人たちが日本語をプリントした紙やカードを持っており、立ちどまった人に見せることにより共感を煽り、募金をしてもらうという手段です。

中には本当にきちんとした目的で募金活動をしている外国人の方もいるでしょうが、明らかに詐欺だと疑われるようなやり方をしている人たちがいることも事実でしょう。

街頭募金を行う時の注意点~団体名や募金の使用方法を明示しているか~

街頭募金を行う人達や団体は数多く存在しますが、駅の近くでの募金活動はよく目にすることもあるかと思います、その姿を見て募金をする事もあるかもしれません。街頭募金活動を行う際に、注意しなくてはいけない点が複数あります。信頼感をアップさせるために、自分たちの団体名や組織名をしっかりと明示し、それだけではなく集められた募金がどのようにして使用されるのかについても明記しているかの確認が必要です。

※街頭募金活動場所はどこでもOK?

街頭募金活動場所について、中には募金活動であればどこで行ってもOKという認識の人もいますが、そうではなく当然建物内などの私有地であれば管理者の許可を得なくてはいけませんし、それ以外の場(公道など)でも警察に使用許可を得たり、管轄している市町村などに許可を得なくてはいけないケースもあります。

不正に行っている大半の場合は道路の使用許可やそれぞれの建物の使用許可を得ていないことが圧倒的に多いですし、不審に思った人に質問をされると偽造したものや許可証とは関係のない書類を見せ、ごまかすケースも多くみられるようです。こういったルールを守らない手段は非常に悪質ですし、それだけにとどまらず募金に協力しようと思った善良な市民を騙すことにもつながるので、こういった募金声かけには細心の注意を払うべきではないでしょうか。

有名な募金団体でも注意喚起を行っている

義援金詐欺行為を行う団体は大きな規模のものであれば問題ないと感じていても、中には詐欺の可能性があるものも存在しています。募金団体が注意喚起を行っている詐欺行為についてご紹介していきましょう。

日本赤十字社

日本赤十字社を装った詐欺が発生しています。2011年に発生した東日本大震災により仮設住宅に住んでいる被災者を対象に「生活家電セット寄贈事業」を行っているのですが、「家電を預からせてほしい」などと言い、戸建て住宅に訪問し家電の交換や修理をしようと騙して家電を盗む行為などを行う詐欺が報告されています。

そのほかにも、日本赤十字社を装って電話をかけて金品の提供を求めることやフィッシング詐欺サイトなどもあるので注意が必要でしょう。

日本ユニセフ協会

日本ユニセフ協会を装った様々な詐欺も報告されています。まず、TwitterなどのSNSでの詐欺行為です。「リツイートすると1円、フォローをすると1円」などとツイートする日本ユニセフ協会と称したアカウントがあるのですが、日本ユニセフ協会とは関係のない団体や企業なので、リツイートなどをしないよう注意しましょう。

また、電話やウェブサイトなどでユニセフ協会の関係者を装って、無償で現金を支援したいと話して、詐欺行為を働こうとする不審な勧誘も報告されています。不審に思ったらすぐに電話を切るようにしましょう。

赤い羽根共同募金

インスタサポートセンターや全日本義援被災者協会などの送信元から送られてくるメールは赤い羽根共同募金とは一切関係のない団体なので、メールが送られてきても無視することが大切です。メールの内容としては、善意のバトンとして3000円程度を振り込むと高額ポイントを付与して現金で換金するという内容です。

振り込み口座は中央共同募金会、東京都共同募金会の口座を案内していますが、全くの無関係となっているので振り込まないよう気を付けましょう。

まとめ

このように、有名な団体を悪用した詐欺が行われています。メールやSNSを利用した詐欺行為の場合、URLや住所などが記載されていることも多いので、不審に感じたら正しい情報なのか日本赤十字社や赤い羽根共同募金などの団体サイトを確認してみると良いでしょう。

また、直接支援する方法としては義援金だけではなく「ふるさと納税」もあります。ふるさと納税は社会貢献が目的となっているので、心配することなく役立ててもらうことができるでしょう。

日本ユニセフ協会は何をしている団体?