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「必須医薬品キャンペーン」とは?

国境なき医師団は紛争地域や災害地域で、人々に中立の立場で医療や人道援助を行っている国際団体です。その国境なき医師団は「必須医薬品キャンペーン」という、孤立地域で病に苦しむ人々を人命する取り組みを行っています。一体どのようなキャンペーンなのか、団体の概要やキャンペーンの特徴についてご紹介しましょう。

国境なき医師団について

国境なき医師団は1971年に設立された民間・非営利の国際団体で、日本事務局は1992年に発足されました。紛争地域や災害地域などに住む多くの人は医療を受けられない環境の中にいます。国境なき医師団は名前の通り国境によらず、中立・公平な立場で医療提供が必要な人々に医療を提供している国際団体です。現在は世界各国に29の事務局が設置され、アフリカやアジア、南米といった途上国を中心に、今まで約70の国と地域で活動を行ってきました。

必須医薬品キャンペーンとは

国境なき医師団の活動が評価されて1999年にノーベル平和賞を受賞しましたが、それをきっかけに「必須医薬品キャンペーン」が始まりました。この当時、HIV・エイズ治療を受けられる国と受けられない国があり、不公平さが問題となっていました。孤立地域は豊かな国と比べて医療が未発展であり、電気や質の良い水を確保できない地域も多く、既存の診断テストでは正確な状態を判断できなかったり、最適な治療や薬を提供できなかったりなどの問題があります。

他にも、治療に必要な薬やワクチンが高くて入手できない、治療に適した薬が存在しないといった課題も残されています。このキャンペーンは上記の状況や問題を改善することを目的に、医師や薬剤師、科学者、弁護士など様々な専門家で構成されたチームを立ち上げ、貧しい国でも手に入れやすい薬やワクチン、診断テストの開発を行っているのです。

キャンペーンの取り組みについて

必須医療品キャンペーンは主に「医療を受ける機会」と「医療革新」の2つの問題を改善する取り組みを行っています。医療を受ける機会の取り組みとは、必要な薬やワクチンが高く医療を受ける機会がない人や地域に向けて、薬価が高価な医薬品を入手しやすくする活動です。一方、医療革新の取り組みは現状に求められる新しい薬やワクチンの開発、各地域に対応できる最新の診断テストの開発を行っています。具体的に、安価で安全なジェネリック製品の生産・研究・資金提供の促進、企業営利が公衆衛生上の需要に勝らないこと、製薬会社が法外の薬価をつけないように監視するといった活動が行われています。

世界では国や地域によって貧富の差があり、適切な治療を受けられなかったり、薬やワクチンを受けられなかったりと様々な医療問題を抱えています。必須医療品キャンペーンは、これらの問題を改善していくための取り組みです。多くの人の命を救う取り組みなので、これからも国境なき医師団の取り組みに注目していきたいと思います。